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2021年10月10日

カタリン・カリコ氏、残念ながら今年のノーベル賞受賞は逃す。

8月18日に投稿した「新型コロナワクチンをめぐるハンガリーと日本の関係」で紹介したハンガリー出身の女性科学者、カタリン・カリコ氏は、今年のノーベル医学・生理学賞の最有力候補でした。新型コロナウイルスで実用化された「mRNAワクチン」開発の立て役者だからで、NHKなどでも紹介されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize2021/physiology-medicine/article_06_01.html

カタリン・カリコ氏はノーベル賞の“登竜門”とされる「ラスカー賞」にも選ばれ、期待感が高まりました。しかし、残念ながら医学・生理学賞は、「辛さ」を感じさせるカプサイシンという成分に反応する受容体を発見した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のデビッド・ジュリアス氏、スクリップス研究所のアーデム・パタプティアン氏の2人に決まりました。
この受容体が辛さという感覚を検出するだけでなく、「熱にも反応すること」なども明らかにしたとのことですが、タイムリーさや世界への貢献度で疑問符が浮かんでしまいました。

物理学賞に選ばれた日本出身の米国プリンストン大学上級研究員、真鍋淑郎さんは地球温暖化と二酸化炭素の関係を世界に先駆けて実証したことが評価されましたようですが、スウェーデン王立科学アカデミーにとっては、温暖化防止の重要性を訴える意味があったでしょう。
また、平和賞にジャーナリスト2人が選ばれたのも、権威主義の台頭に対抗するジャーナリズムへのエールの意味があったでしょう。

そういう観点からすると、カタリン・カリコ氏を選出すれば、変異を続ける新型コロナウイルスへの対応に日夜努力を続ける人たちを勇気づける意義があったと思うのですが、どうでしょうか。

そのカタリン・カリコ氏を描いた本「世界を救うmRNAワクチンの開発者 カタリン・カリコ」の著者、増田ユリヤ氏が、10月16日、東京・六本木のアーク・カラヤン広場で、池上彰氏と対談します。

下記URLで紹介されています。

https://www.facebook.com/HungarianCultureTokyo/posts/378160787345891